第9のセフィラ。主な属性は青雲と赤星。守護砦はシャダイ・エル・カイ。破界天使は伏羲(ふぎ)
このセフィラのほぼ全体は250万平方キロメートルにもなる巨大な淡水湖・オグラ湖となっている。滾々と湧き続ける水は、セフィラの端より滝となって零れ落ち、やがて中空で霧散する。
オグラ湖の北部、南西部、南東部にはいくらかの陸地がある。北部には唯一つの大陸・馬頭大陸があり、仙道や突厥クラスタの者たちが多く住まう。
南西部にはオノゴロ諸島と呼ばれる、いくつかの島嶼があり、ヤマトクラスタのものたちのみが住まう。
南東部はスーリア諸島と呼ばれる島嶼となっており、ディーヴァクラスタを主体に雑多な文化が共存している。
また、湖中央には一つの島があり、ここは現在はアバランチが管理している。
3つの文化圏は巨大な水域のお陰で長らく隔たれていたが、百年ほど前から、馬頭大陸を制覇した梟雄テムジンのために大きな戦の渦に飲み込まれている。
尊称は聖天子。年齢300歳以上。ヒヅメ族とタケル族のダブルブラッドと公称しているが、じつはさらにトモエ族も含むトリプルブラッド。馬頭大陸を擁する国家・ムゲンの支配者。申し子としては唯一の、国家元首。ただし、ムゲンは帝国からは藩国として扱われ、アバランチからは要注意団体とされている。
経緯は不明だが、幼少期をゲブラーセフィラで過ごし、ノスフェラトゥ帝国の草創から興隆まで皇帝に付き従い、多くの勝利に貢献した、皇帝の忠実なる戦士。帝国からは赤報将軍、馬頭公などの爵位を授けられている。反乱を起こした一時、剥奪されたものの、関係が修復してすぐに復権している。
100年ほど前から、帝国の拡大戦略の端緒として、故地であるイェソドへと侵攻。20年ほどかけて、馬頭大陸を制覇したところで、突如、自らを聖帝と号する。まだ、飛空船のない時代であったため、帝国本国からの監視が緩く、かなり好きなように活動していたようだが、大陸の制覇に伴い、巨大な国土と民草を得たことでの凶行だったらしい。
しかし、帝(みかど)という字(あざな)は並び立つものがない唯一のものという意味であり、その字を含む尊号を名乗るということは、同様に帝の一字を含む皇帝に対する挑戦となる。そんやなことが看過されることもなく、帝国本国との戦争となる。とはいえ、テムジンが侵攻当初に使用したゲブラーとイェソドを結ぶ魔法の門は破壊されており(テムジン自ら爆破した説が濃厚)、大規模な侵攻は不可能であったため、散発的に飛行部隊同士がぶつかりあう程度であった。それが十三人同盟が飛空艇を販売し始めたことを契機に、様相が一変。帝国艦隊が結成され、イェソドの馬頭大陸に侵攻を開始。あわや、機神戦争以来の大空中戦開始かと思われたが、テムジンは降伏を表明。帝都に連行され、裁判を受ける。この時、数々の秘宝を献上し、皇帝への再度の忠誠を誓い、聖帝の尊号を廃棄することを条件に、反乱については不問とされ、公式には帝国の代官という立場に甘んじつつも、ムゲンの元首の地位を固守した。その際に聖天子へと改称しているが、天子には仙道の伝承で帝(みかど)と同じ意味があり、テムジンが帝位を諦めていないことを示している。
帝国との戦争集結後はイェソドセフイラの完全制圧を目標に、南西のオノゴロ諸島、南東のスーリア諸島へ度々侵攻している。ただ、アバランチによる介入、仲裁により、思うように進まず、初期の快進撃に比べると、勢いは衰えてきているようだ。